【所信】


2024年度理事長 宇佐見康人

はじめに

 みなさんの同級生や友人はどれくらいの人がこのあきたに残り暮らしていますか。私の友人は半数近くが県外に出て暮らしています。

「あきたには何もない。」

「あきたはつまらない。」

 自分たちが置かれている環境に対する言葉を何度も聞いてきました。たしかに、秋田県は今、人口減少、少子高齢化などで国内トップを走っています。それでも正直、言われっぱなしは、悔しいです。

では、私たちは本当に何もないところで、つまらないところで生活しているのでしょうか。

 “違います”

 あきたには、温かい人たち、豊かな自然と食文化、日本一の数を誇る無形文化財など、多くの誇れるモノが存在しています。そして、社会的な問題や課題を解決していくことができるヒトが存在しています。

あきたをより良くするために、私たちは、新しいことに臆することなく挑戦し、困難な状況を楽しみ、失敗を恐れず前進しなければならないのです。そうすることで、あきたを牽引していく可能性を見出し、明るい豊かな社会の実現が可能になるのだと私は信じております。

 さらに魅力的な秋田青年会議所にすることにより、明日のあきたを共に創っていこうではありませんか。

挑戦と楽しむことを忘れない組織力の強化と会員の拡大

 会員の拡大が急務であると言われて久しいです。今後も地域のために運動を展開するには、会員の拡大は避けて通れません。

 同時に、明るい豊かな社会の実現のためには、私たち自身が輝き、組織としての魅力も更に向上させ、持続可能な組織体制の強化をしていかなければいけません。

楽しんでいる人や、笑顔が溢れている場所に人は集います。青年経済人として成長することを楽しみ、困難に直面しても挑戦してきた組織の魅力を伝えることが、会員の拡大にもつながるのだと信じて日々の運動を展開して参ります。

夢に挑戦する子供たちの育成と私たちの成長

私には夢があります。それは、夢が溢れるあきたを創ることです。

ある調査では、日本の子供たちは成長するにつれて夢をもつことを諦めてしまうと言われています。小さい頃には自由に夢を話せたのに、大人になるにつれて夢を笑われ、いつの間にか自分自身で制限をかけてしまうのではないでしょうか。

できるかできないかで判断するのではなく、やりたいかどうかを判断基準に挑戦できる子供、やりたいと思ったらどうすればできるのかを考えられる子供を育成していきます。

そして私たち大人は、子供たちがやりたいことを見つけられるよう、やりたいことを見つけた時に、その実現に向けてそっと背中を押してあげられるように成長し、夢があふれるあきたを目指します。

自然災害への危機管理

 2023年7月、我々のフォローエリアである秋田市、五城目町を中心に豪雨による大規模な水害が発生しました。

有事の際に、いち早く物心両面での迅速かつ何度も復旧ボランティアとして支援していただいたのは、東日本大震災で被災地となった青年会議所メンバーの仲間たちでした。2011年の未曾有の大災害を機に防災減災への意識が高まり、地域や他県で災害が発生した際にはすぐに駆けつけるとずっと心に決めていたそうです。私は、その行動力とお気持ちに、感動を抱きました。

私たちも住み暮らす地域や周辺の地域で自然災害が発生した際に迅速な対応ができるよう、防災減災意識を高めていく必要があると感じます。環境の変化による自然災害や突発的な大規模災害へ備えるために、危機管理の強化を進めて参ります。

2025年度東北青年フォーラムを開催するために

2025年度東北青年フォーラムを主管します。これまで数々の運動を展開するにあたり支えていただいた関係各位、先輩諸氏に感謝し、脈々と受け継がれてきた伝統を守りながら、東北地区の各地青年会議所の運動を、地域に波及させるための基盤づくりに向けた準備を進めて参ります。

結びに

昆虫の蚤は体の200倍の高さまでジャンプすることができます。蚤を瓶に入れるとその瓶からはみ出すくらいの大ジャンプをします。しかし、蓋を閉め時間を置くと、蓋に当たらない高さのジャンプしかしなくなります。例え蓋を開けたとしても瓶を超えるジャンプをすることはありません。

元々持っている能力は環境により制限や思い込みによりその力を発揮できなくなってしまいます。これらにより、自分の才能を活かしきれなくなることは、人も他の生き物も同じなのかもしれません。

この蚤にあることをすると、また大きなジャンプをするようになります。それは、高く飛べる仲間を瓶に入れ「自分にもできる」と思ってもらうことです。

 今までは「あきたには何もない」などと否定的に語られることが多かったです。

ここから前向きな気持ちに変えていきましょう。私たちには大きな可能性がありますし、その姿を他の人たちに見せることだってできます。

青年としての「英知・勇気・情熱」のもと、私たち自身が私たち自身の可能性を信じて共に進みましょう。

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