2025年 公開情報

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◆計画事項◆

【委員会年間事業計画書】

【所信】

2025年度理事長 有田正明

はじめに

 私たちが暮らすあきたには、現在、無視できない様々な問題が山積しています。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、産業発展の形骸化などは顕著で、地域から活気そのものが消えてしまう恐れがあります。また、頻発する自然災害や不安定な社会情勢に伴う経済的な打撃は、私たちの生活基盤そのものを大規模に揺るがしています。あらゆる要素が複雑に絡み合い、今まで以上のスピードで社会が変化していることは自明のことです。では、この混沌と激動の時代を力強く生きるために、私たちには一体何が必要なのでしょうか。

 それは私たち一人ひとりが持つ「良心」や、生まれてから現在までずっと練磨し続けてきた「英知」と「勇気」そして「情熱」です。新しく、特別なものではありません。他者貢献の源泉である「良心」、状況を適切に判断し、最善の選択をする「英知」、未知の課題にもひるまず果敢に挑戦する「勇気」、そして、明るい豊かな社会実現のため信念を掲げ続ける「情熱」は、私たち一人ひとりが持ちうる素晴らしい能力です。私たちの先人は、あらゆる困難の中でもこの能力を活かし、あきたを支え続けてきました。

 我らが秋田青年会議所も、設立以降73年もの間、責任世代としての自覚と使命感を持ち、直面する課題に向き合い続けてきました。現状を憂うことなく、困難にめげることなく、自然とはぐくまれた良心を胸に、今こそ英知と勇気と情熱をもって、一層の笑顔と元気あふれる素晴らしいあきたを目指していこうではありませんか。

良心あふれる青少年の育成

 少子化、核家族化、急速な情報化、低年齢層へのITデバイスの普及などにより青少年を取り巻く環境は著しく変化しています。地域社会においても育成環境が大きく変化し、他者とのコミュニケーションの取り方も変容しております。直接様々な人たちと関わる機会が減ってしまい、他者との違いを受け入れ、お互いを認め合うことが困難な青少年も少なくありません。時代や地域がどのように変化しようとも、良心と思いやりの心を忘れず、他者と自信をもって関わることのできる青少年の育成を目指します。

明るく豊かな社会の基盤となる責任世代に向けた人間力の向上

 地域の根底にあるもの、それは人です。どのような時代でも個人に備わった人間力こそが社会にとっては究極のエッセンスであり、より良い社会を目指すために最も重視すべき点であると私は考えます。生産年齢人口が年々減少傾向にあるあきたにおいて、人財の量では無く質の追求は自明の課題であります。知性、社会性、道徳心にあふれ、明るく豊かなあきたの構築に力強く貢献し、自立した一人の人間として生き抜く総合的な力を養う事業を展開してまいります。

志高き会員の拡大

 最盛期200名以上もいた会員も、今では60名弱となってしまいました。このまま会員数が減少すると、有無を言わさず私たちの活動運動に強い制約がかかり、73年間紡いできた地域に対する想いや志の存続も危ぶまれてしまいます。青年会議所に在籍することの魅力は限りなく存在し、私自身その恩恵の多くを享受しています。私たちが長く紡いできた地域に対する想いや志を一人でも多くの青年に理解していただき、青年会議所の魅力を伝播することで、志高き仲間の拡大を力強く進めてまいります。

東北青年フォーラム主管

  東北地区協議会最大の運動の発信の場となる東北青年フォーラムがいよいよ今年あきたの地にて開催されます。東北6県の各LOMが一堂に集まる同フォーラムの秋田市での開催は、実に47年ぶりのことです。秋田県内は勿論、他県の皆様にあきたの魅力を最大限発信するため、青年会議所だけでなく行政、企業、市民の皆様を大いに巻き込んだ一大事業とし、メンバーのさらなる成長と活気あふれるあきたへ貢献する機会とします。

結びに

 「もう年だから。」少子高齢化が進むあきたで、よく耳にする言葉ではないでしょうか。私はこの言葉が好きではありません。それは、その言葉に含まれる諦めの心境がたまらないのです。私たちが一番若い日というと、いつを思い浮かべるでしょうか。思春期の頃でしょうか。やはり生まれた瞬間でしょうか。様々な考えがあるかと思いますが、私たちが一番若い日は「今日」です。私たちの人生には「今日」しかありません。私たちは過去に戻ることはできず、今この瞬間の連続を生きるしかないのです。年齢はデータであってその人の本質ではありません。それはつまり、何歳であろうと、私たちは人生において今この瞬間こそが一番みずみずしく、若く、そして、一人ひとりが青春の真っただ中にいるということです。

 あきたの現状に絶望する必要はありません。すべてが混沌で不明瞭であっても挑戦し続けた子どもの頃のように、一切の諦めを排除しましょう。先行きが分からなくても「今この瞬間にベストを尽くすこと」が私たちに求められています。

 我らが秋田青年会議所は、より良いあきたの実現へ向け、課題に向き合い続けてきました。こんな混沌と激動の時代だからこそ若い我らは、青春の只中にいることを自覚し、英知と勇気と情熱を持ち、偉大な先人の知恵を借り、地域を想い、課題の解決に向け足並みをそろえていこうではありませんか。